老朽化によって水道管には様々な問題が起こりますが、その代表的なトラブルに、漏水があります。
給水管の寿命は10~15年程と言われています。給水管が老朽化するとサビが発生し、腐食やつまりが起きやすくなります。また、ひび割れや管の継目からの漏水も起こります。
水道管は一般的に壁の中や床下、地面の下など、目に見えない所にあります。ですので、漏水の被害が大きくならないうちに、できるだけ早く漏水のサインに気付くことが大切です。
水道局の検針で水漏れの疑いがあると言われたり、水道を使っていないのに水道メーターが回っていたり、水道料金が急に高くなった、他にも壁や床から水が染み出している場合は、早目の点検をおすすめします。
漏水の工事をする場合、漏水が起きている部分だけを交換する方法(一部切り回し)と、給水管全体を交換する方法(新設)があります。
給水管の老朽化が進んでいる場合、漏水している部分だけを修理して一時的に漏水を止めても、またすぐに違う場所から漏水が起きる可能性が十分にあり、その度に工事を行う事はお客様にとってデメリットとなります。
そのため弊社では、将来的な漏水のリスク、修理の際に必要となる様々なコスト、工期の短縮化などを総合的に判断し、給水管の新設工事(全体の交換)をおすすめする事があります。
給水管を新設する事になった際に、状況によっては露出配管を勧められることがあります。
そもそも露出配管とはなんでしょうか?
水道管は通常、家の中なら床や天井や壁の中などの目に見えない場所に設置されています。
露出配管とは、その本来は壁の中や地面の下にある配管を、壁の外に露出させた状態で設置する配管方法です。
経年劣化などで配管の交換などの工事が必要なった時、配管が見えるように壁や床を壊し、配管を修理してから再び元通りにするのは、大掛かりな工事になります。
そのため、費用も工事期間も大きくなってしまいます。
それらの事を考慮し、露出配管を選択する場合があります。
●メリットはコストを抑える事と工期の短縮
① 費用を安くできる
漏水調査で漏水している場所を特定するためには、床や壁、コンクリート等に穴を開けて中にある給水管を露出させる必要があります。
弊社では必要最小限の範囲での開口を行っておりますが、それでも穴を開けるために費用がかかりますし、穴を開けた以上、元に戻すためにも費用がかかります。
また、状態によって別途必要になるガス工事費用等が不要になります。
② 工期を短縮できる
露出配管にすれば他の工事を省けるので、施工期間を短縮できます。
③ メンテナンスがしやすくなる
水道管が露出されていれば、メンテナンスがしやすくなると言えます。
点検も修理も容易にでき、問題がある箇所も特定しやすくなります。
④ ガス管など、ほかの埋設管との調整が不要
状態によってはガス工事などが別途必要となる場合があり、露出配管ではその必要はありません。
●デメリットは劣化や破損のリスクと美観の問題
① 破損・劣化しやすい
配管が露出していれば、どうしても破損しやすくなります。
特に屋外の場合は台風や突風などで物がぶつかったり、車を駐車する際にぶつけてしまったり等、破損することがあります。
また紫外線や天候の影響でダメージを受けることもあります。
② 凍結しやすい
配管が露出していると、特に寒冷地などでは冬場に水道管が凍結する事があります。
配管カバーと保温材を使用することで、凍結を防ぐことができます。
③ 美観を損なうことも・・
露出配管は、美観を損なうとして好まれないこともあります。
配管カバーを付けて、ある程度見た目をカバーすることは出来ますが、その分の費用はかかってしまいます。
給水管は現在も塩ビ管(耐衝撃性硬質塩化ビニル管 HiVP)や、給湯管問わず使用できる架橋ポリエチレン管・ポリブデン管が主流です。
耐衝撃性硬質塩化ビニル(HIVP管)は、その名の通り耐衝撃性に優れた水道用給水管で、外気温が低い時でも割れにくく、不測の衝撃(地震など)による管の破損を最小限に抑える効果が期待できます。
架橋ポリエチレン管は軽く曲がりやすいので施工しやすく、耐熱性・耐寒性のどちらにも優れています。
ポリブデン管は架橋ポリエチレン管に非常によく似ていますが、架橋ポリエチレン管の方が少し性能が高く、その分価格も高くなります。
【 ご依頼内容 】
3階建てビルですが、漏水しているようです。
場所はわからないので、調査と修理の見積をお願いします。
【 施工内容 】
音聴棒の調査の段階で、トイレの給水からの漏水と判明。漏水の音が確認できました。
ただ、配管は2階の床下にあり、鉄管でした。
修繕工事でも大掛かりなものになってしまうため、露出配管による引き直し工事をご提案。
施工依頼をいただきました。
水道メーターから引き直しましたが、2階は独立したメーターとなっていましたので、そこから施工することができました。
1階駐車場に露出配管、保温材の取付け
1階駐車場に露出配管、保温材の取付け
建物の外壁に露出配管、保温材の取付け
建物の外壁に露出配管、保温材の取付け
止水栓を移設
室内の給水管にモールカバーの取付け
点検口を作成、給水管の取付け
キッチンシンク下に給水管を取付け
【 ご依頼内容 】
他社との相見積もりなんですが‥。
築20年のアパートです。2階の1室で漏水していて、給水管引き直し工事の見積りをお願いしたいです。
【 施工内容 】
以前、オーナー様ご自宅の水栓交換をさせていただいた時に、アパートの漏水の件でご相談をお受けしておりましたお客様です。
弊社スタッフがお調べしたところ、漏水は2階部分ではなく、建物1階の床下にて漏水していると思われました。
床下のため、コスト面も考慮すると漏水場所の特定と修理が難しく、現状のご説明と給水管の新設工事のご提案をさせていただきました。
相見積りでしたが、他社の見積りは当社の倍近くの金額だったと仰って、喜んでいただきました。
露出配管での施工ですが、室内は美観を考えて配管カバーを付けています。
水道メーター
水道メーターの横を慎重に掘削する
水道メーターから給水管を露出配管で設置
露出配管を設置
給湯器に接続
モルタルで掘った穴を埋める
露出配管で2Fに接続
2Fにある洗濯機に接続
2F室内の各水まわりに接続、配管カバーを取付けました
給水管を移設
【 ご依頼内容 】
水道局検針で漏水を指摘されたので、調べて欲しいです。
3階建ての店舗兼住宅で、40年以上前の戸建てなので、配管の引き直しも考えています。まずはお見積りをお願いします。
【 施工内容 】
弊社スタッフがお伺いした弊社スタッフがお伺いしたところ、建物周辺のスペースがとても狭く、屋外露出配管が一部しか配管できない状況でした。そこで、1階店舗と2、3階住居スペース共に室内露出配管(計約40m程)にて施工いたしました。
もし建物外の周囲にスペースがあれば、外壁に給水管を取り付けて各水回り周辺まで這わせ、近くまで来たら壁に穴を開けて室内へ通して水栓へ接続ができました。
ですが今回は場所によって屋外での配管作業が難しく、苦肉の策としての室内配管となりました。
このような室内露出配管が多い場合、もし美観が気になるようでしたら、モール(配管カバー)を取り付けることもできます。
外壁に給水管を取付ける
屋外の給水管を室内へ引き込む
外壁の給水管の様子
保温材を巻き付ける
室内に露出配管を取付ける
室内に露出配管を取付ける
室内に露出配管を取付ける
トイレ止水栓へ接続
キッチン給水管取付け
キッチン水栓へ接続
【 ご依頼内容 】
1年程前に水道局より漏水の指摘がありましたが、放っておいたら水道料金が上がってしまいました。修繕工事の見積をお願いします。
【 施工内容 】
このケースでは、大掛かりな漏水調査をしないと漏水箇所の特定が難しく、費用が高額になってしまうため、給水管の引き直し工事をご提案いたしました。
まず、水道メーターまわりに埋設給水管を新設し、左手にある屋外の立水栓も新しく交換しました。
玄関を通り過ぎたところで、埋設管から露出配管へ切り替えます。1階各水回り(浴室・洗面・洗濯・トイレ・キッチン系統)の配管約25mほどをすべて引き直しました。
勝手口横に2階トイレへ接続する給水管を配管。給湯器用バルブも交換しました。
浴室水栓の給水管の穴にカバーを付けて、水栓を再取付いたしました。
新しい給水管に合わせて、キッチン・洗面・トイレの止水栓や洗濯水栓の位置をずらして再取付しました。
キッチン水栓はシングルレバー混合栓 TOTO TKS05301Jに交換いたしました。
メーターまわりの埋設管を新設
立水栓も新しく交換
玄関を通り過ぎたところで露出配管へ切り替え
保温材の取付け
勝手口横に2階トイレへ接続する給水管を配管
給湯器用バルブも交換
浴室水栓の給水管の穴にカバーを付けて水栓を再取付け
浴室水栓の給水管の穴にカバーを付けて水栓を再取付け
洗濯水栓の位置をずらして再取付け
シングルレバー混合栓(TOTO TKS05301J)